PDRNスキンケアガイド · 原料と名前

PDRN、PN、Sodium DNAは何が同じで、何が違う?

PDRNを打ち出す製品もあれば、PNを打ち出す製品もありますが、全成分表示を見ると、どちらもSodium DNA(日本の化粧品の表示名称はDNA-Na)と書かれていることがよくあります。同じ系統の成分に名前がいくつもある理由と、名前だけではわからない原料の由来を確かめる方法をまとめました。

結論から言うと

PDRNとPNは、どちらもDNAの断片を指す名前で、主に断片の大きさで区別します。2025年に発表されたある総説論文は、分子量1,500kDaを基準に、それより小さければPDRN、それ以上ならPNと呼ぶことを提案しました。

化粧品の全成分表示では、どちらもSodium DNAやHydrolyzed DNAといった成分名称で書かれるため、名前だけでは大きさも由来もわかりません。大きさはkDaやbpの表示で、由来は原産地の情報で、別に確認する必要があります。

短いDNA断片と長いDNA鎖左には長さの異なる短いDNA二重らせんの断片がいくつか、右には1本に長くつながったDNA二重らせんが描かれている。左はPDRN、右はPNを表す。
  • 左 · PDRN長さがまちまちな短いDNA断片の混合物
  • 右 · PNより長くつながったDNA鎖
PDRNもPNもDNAの二重らせんで、主に鎖の長さ、つまり分子の大きさで区別します。図の長さの比率は実際とは異なります。

3つの名前のつながり

PDRNは、ポリデオキシリボヌクレオチド(polydeoxyribonucleotide)の略です。デオキシリボヌクレオチドはDNAを構成する基本単位で、頭についた「ポリ」は、その単位がいくつもつながっていることを表します。実際にPDRNと呼ばれる原料は、長さがまちまちなDNA断片が混ざった混合物です。PNはポリヌクレオチド(polynucleotide)の略で、同じDNA鎖のうち、より長く大きいものを呼ぶときに使われます。

化粧品の全成分表示では、ふつうこの2つの名前ではなく、「DNAのナトリウム塩」を意味するSodium DNAや、「DNAを加水分解して細かくしたもの」を意味するHydrolyzed DNAといった成分名称が使われます。韓国食品医薬品安全処(MFDS)も2026年9月、PDRN化粧品の広告の点検結果を公表した際に、PDRNを「サケ、バラなど動物・植物を起源とする低分子のDNA断片」と説明し、化粧品ではこうした名称で成分が表示されると述べています1。ここでいう「低分子」は長いDNAを細かく分けたという意味で、肌を通り抜けられるほど小さいという意味ではありません。大きさと吸収の関係は、PDRNクリームは肌に吸収される?で取り上げました。

PDRNに関わる名前の早見表
名前指すもの大きさの情報
PDRNポリデオキシリボヌクレオチド長さがまちまちなDNA断片の混合物研究文献ではよく50~1,500kDa
PNポリヌクレオチドPDRNより長くつながったDNA鎖1,500kDa以上とする提案がある
소듐디엔에이Sodium DNA韓国の化粧品の全成分名称。DNAのナトリウム塩名前に大きさの情報はない
하이드롤라이즈드디엔에이Hydrolyzed DNA加水分解で細かくしたDNAの、韓国での全成分名称名前に大きさの情報はない

大きさで分ける基準

PDRNとPNを分ける線は、まだ1つに決まっていません。研究文献ではPDRNは分子量50~1,500kDaのDNA断片の混合物と説明されることが多いものの、最近は1kDaほどのごく小さな断片から1万kDaに及ぶ大きな鎖まで報告され、呼び名が入り混じって使われています。2025年のある総説論文はこの混乱を整理しようと、1,500kDaを境界線とし、それより小さければPDRN、それ以上ならPNと呼ぶことを提案しました。同じ論文は、50kDaより小さい断片を低分子PDRNに分類した先行研究もあわせて紹介しています2。ただし、学界全体で合意された基準というより、1つの研究グループによる提案である点は考慮しておく必要があります。

塩基対(bp)に換算すると、イメージがつかみやすくなります。1塩基対を約650ダルトンとすると、1,500kDaは約2,300bp、50kDaは約77bpです。PYDERINが使う原料は平均分子量の規格が30~200kDaで、公開しているロットの測定値は平均150bp(約97kDa)です。この提案に従えば、一般的なPDRNの範囲の中でも小さいほうに入ります。

DNA断片の大きさで見た名前(対数目盛、単位kDa)

図1 大きさで分けたDNA断片の名前。境界値は、2025年の総説論文が提案した基準(1,500kDa)と、その論文が紹介した低分子の分類(50kDa未満)に従いました2。PYDERINの原料の規格は、断片1つひとつの長さの範囲ではなく、平均分子量の合格範囲です。

全成分表示にはなぜSodium DNAと書かれるのか

韓国では、化粧品パッケージの全成分は決められた成分名称で記載し、複数の成分を混ぜてつくった原料は、原料名ではなく、中に含まれる成分を1つずつ記載します3。たとえばPDRN原料が水にDNAを溶かした形なら、全成分表示には「PDRN」ではなく、水とSodium DNAが別々に書かれる、というわけです。

つまりPDRNは、全成分の名称というより、原料の性格を表す呼び名に近いものです。大韓化粧品協会(KCIA)は、製品説明に使う原料名は全成分名称と同じにするのが望ましく、別の名前を併記することはできると案内しています4。「Sodium DNA(PDRN)」のように2つの名前を並べて書けば、消費者が全成分表示から成分を探しやすくなります。

名前が同じでも、由来は違うことがあります

Sodium DNAという名前はDNAの化学的な形を表すだけで、どこから来たのかは教えてくれません。現在、PDRN原料の多くはサケ類の精子細胞から得られ、主にシロザケとニジマスが使われています。精子細胞からは、タンパク質や脂質といった不純物の少ないDNAを得やすいためです2。

ほかの由来もあります。ヒトデやナマコといった海洋生物、紅藻類(海苔)などの藻類、高麗人参などの植物から得たDNAが研究されており2、微生物を培養してつくる組換え原料も登場しています。組換え原料を手がける原料メーカーも、サケから得た原料と組換え原料は、全成分ではどちらも同じSodium DNAと書かれることがあると説明しています5。由来が違えば精製方法や大きさの分布、品質管理の方法も変わりうるので、由来が気になる場合は、原産地や原料の情報を別に公開しているかを確認してみてください。

サケ由来原料の出どころを確かめる方法

サケ由来のPDRNなら、確認したいことは3つです。

  1. 国と魚種。「サケ由来」という言葉だけで終わらず、原料を抽出した国と魚種の学名まで明らかにしているかを見ます。シロザケはOncorhynchus keta、ニジマスはOncorhynchus mykissです。
  2. 試験成績書。平均サイズとその規格、純度、重金属の試験結果があるかを確認します。数字の読み方は、PDRNラベルの数字の読み方にまとめました。
  3. 全成分と含有量。全成分表示にSodium DNAがあるか、製品基準の含有量が併記されているかを見ます。

PYDERINが使うPDRN原料の原産地証明書には、“This product is extracted from salmon (Oncorhynchus keta) testis or semen in Republic of Korea.”と記載されています。大韓民国でシロザケの精巣または精液から抽出したという意味で、サケをどこで獲ったかまでは書かれていません。シロザケ(chum salmon)は、韓国で一般にただ「サケ」と呼ばれている種です。

よくある質問

PNはPDRNより優れた成分ですか?

大きさが違うだけで、どちらが優れていると言い切れる成分ではありません。化粧品を選ぶときは、名前よりも、表示された大きさや製品基準の含有量、一緒に配合された成分を見るほうが確かです。

サケ由来のPDRNと植物由来のPDRNは、同じ成分ですか?

どちらもDNAである点は同じですが、由来によって精製方法や大きさの分布が異なることがあります。全成分の名前は同じ場合があるので、原産地と原料の情報を別に確認してください。

サケ由来のPDRN原料は、どのようにつくられるのですか?

サケの精巣や精液からDNAを取り出し、タンパク質などほかの物質を取り除く精製を経てから、断片の大きさをそろえます。大きさは電気泳動などの方法で、タンパク質が混ざっていないかは吸光度の比で確認します。

魚アレルギーがあっても、サケ由来のPDRN化粧品を使えますか?

PDRN原料は精製の過程でタンパク質を取り除きますが、アレルギー反応が起きないとは言い切れません。魚アレルギーがある方は、使う前に医師に相談してください。使ってもよいと言われたら、最初は腕の内側など狭い範囲に1日2回、7~10日間塗ってみて、異常がなければ顔に使いましょう6。

参考文献

用語や表示の規定、原料の由来に関する資料です。PYDERINの原料の原産地は、原料の原産地証明書から引用しました。

  1. 韓国食品医薬品安全処(MFDS)。報道資料「가족 건강을 위한 추석 선물 고를 땐 반드시 확인하세요」(家族の健康のための秋夕〈チュソク〉の贈り物選びでは必ず確認を)(PDRN化粧品の不当広告の点検結果を含む)、2026.9.17。 mfds.go.kr
  2. Marques C, Porcello A, Cerrano M, et al. From polydeoxyribonucleotides (PDRNs) to polynucleotides (PNs): bridging the gap between scientific definitions, molecular insights, and clinical applications of multifunctional biomolecules. Biomolecules. 2025;15(1):148. doi:10.3390/biom15010148
  3. 화장품법 시행규칙 [별표 4] 화장품 포장의 표시기준 및 표시방법(3. 화장품 제조에 사용된 성분)(韓国・化粧品法施行規則[別表4]化粧品包装の表示基準および表示方法〈3. 化粧品の製造に使用された成分〉)。大韓化粧品協会(KCIA)法令案内。 kcia.or.kr
  4. 大韓化粧品協会(KCIA)。화장품 성분사전 자주 묻는 질문(化粧品成分辞典 よくある質問)(全成分名称と原料名称の表記)。 kcia.or.kr
  5. Onuoha C. Same INCI, different origins: why PDRN sourcing matters. Cosmetics Business. 2026 Sep 3. 組換えPDRN原料を製造するUniproma社を紹介したPR記事(Promoted Content)です。 cosmeticsbusiness.com
  6. American Academy of Dermatology. How to test skin care products. aad.org

この記事は、化粧品の成分名や原料を理解する際の参考になるようにまとめた一般的な情報です。アレルギーがある方や肌に異常がある方は、使用前に医師にご相談ください。